このブログでは、理学療法士であり
パーソナルトレーナーでもある私の視点から
「姿勢」や「痛み改善・予防」
についてのお話をしています。
ボディメイクも得意で
東京をメインに活動しています、村田育子です(^^)/
現在「足の長さが左右違う(以下:脚長差)」
をテーマにシリーズで解説していて、
本日は「脚長差は側弯症の原因となるのか?」
というテーマでお話してみたいと思います。
同じ内容をYou tubeでもアップしています。
動画の方が良いなという方はこちら。
【目次】
2. 脚長差は側弯症の原因となるのか?
5. まとめ
1. 側弯症とは
脚長差は側弯症(そくわんしょう)の原因となるのか?
というテーマを考える前に
まずは「側弯症(そくわんしょう)」について
簡単に説明させて頂きます。
側弯症とは背骨がカーブしている状態を言います。
このように3つにカーブするのが良くあるパターンです↓
そして側弯症は「構築性」と「機能性」の2つに分けられます。
①構築性側弯症とは
胸郭(アバラ部分)の構造上の変形があり
遺伝が関係していることが多く、
いわゆる本当の側弯症です。
胸郭がねじれを含んで3Dに複雑に歪みます。
②機能性側弯症とは
胸郭の構造上の変形はなく
遺伝が原因でもなく
何かしら他の原因で
「背骨が側弯っぽく歪んでいる」タイプです。
いわゆる姿勢の歪みです。
側弯の方を診る時は、
構築性なのか?機能性なのか?
このどちらなのかという見極めは
アプローチ方針を決めていく上でとても重要になります。
2. 脚長差は側弯症の原因となるのか?
側弯症は「構築性」と「機能性」に分けられる
ということが分かったところで、
本日のテーマ
「脚長差は側弯症の原因となるのか?」
について考えてみたいと思います。
結論として、
脚長差は「構築性側弯」の原因にはなりませんが
「機能性側弯」の原因となると言えます。
(※ただし構築性側弯で脚長差も併発していることは多々あり※)
3. なぜ脚長差が側弯症の原因になるのか?
ではなぜ脚長差が「機能性側弯」の原因となるのでしょうか。
その理由は
脚長差によって骨盤が傾き
それによって腰が横に曲がるからです。
「立ち直り」という自然の反応です。
そして通常、背骨の歪みはここで終わらないことがほとんどです。
腰のカーブに対してその上部分で逆にカーブしてバランスをとります↓
そしてその上部分でまたそれと逆にカーブしたりします↓
(もちろんこれはケースによって違います。)
これで「側弯症」と同じような歪み方が完成するという訳です。
背骨はこのようにどこか一カ所が歪むと、他の場所が補完してバランスを取ろうとします。
ジェンガのようなイメージです。
ジェンガのどこか一カ所が歪むと重心のバランスが崩れ、不安定になります。
でもどこか他の場所が「逆に」歪めば、重心のバランスは保てジェンガは倒れずに済みますよね。
これと同じことが人間の背骨でも起きています。
背骨は24個、ジェンガのように積み上がっている構造なのですー。
4. 脚長差が原因の側弯は改善が見込めるのか?
「遺伝」が原因である構築性側弯症の改善はどうしても難しい面がありますが
「脚長差」が原因の側弯は改善が見込めることが多いです。
インソール(ヒール)を使用することで
物理的に脚の長さをそろえ
骨盤を水平にさえしてしまえば
腰は横に曲がる必要がなくなるからです。
むしろ脚長差が原因である側弯症に対して
脚長差を無視して
背骨のエクササイズをいくら頑張っても
それはなかなか報われない…ということが予想されます。
それゆえ
「この側弯は構築性なのか?機能性なのか?」
という見極めがとても大事になってくる訳です。
「構築性なのか?機能性なのか?」という見極めは
「改善が見込めるのか?見込めないのか?」
とほぼ同じ意味だったりする訳です。
5. まとめ
・側弯症とは背骨が何ヵ所かカーブしている状態
・側弯には「構築性」と「機能性」の2タイプがある
・脚長差は骨盤を傾け腰部を側屈させる
・そのため脚長差は機能性側弯の原因となりうる
・脚長差が原因の側弯はインソールでの改善が期待できる
お読み頂きありがとうございました。
次回も脚長差と側弯症をテーマにお話してみます。
この記事が誰かの健康の一助となりますように。
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