このブログでは
理学療法士であり
パーソナルトレーナーでもある私の視点から
「姿勢」や「痛み改善・予防」
についてのお話をしています。
「ボディメイク」も得意で
東京をメインに活動しています、村田育子です(^^)/
現在「足の長さが左右違う(以下:脚長差)」
をテーマにシリーズで解説しています。
前回記事 脚長差は股関節痛の原因になる?に関連し
本日は「脚長差による股関節痛、長い方・短い方どっちが痛くなる?」
というテーマでお話してみたいと思います。
(息抜き回)
【目次】
1. 長い方と短い方どっちの股関節が痛くなる?
2. 短い側の股関節が痛くなりやすい?
3. 長い側の股関節が痛くなりやすい?
4. 私の見解
5. まとめ
1. 長い方と短い方、どっちの股関節が痛くなりやすい?
脚長差があると
・短い方には「衝撃ストレス」
・長い方には「剪断(ズレ)ストレス」
がかかり股関節が痛む
ということを前回の記事で解説しました。
つまり脚長差があると
どちらも痛くなるリスクがあるのですが
さて、どちらの方が痛くなりやすいのでしょうか?
2. 短い側の股関節が痛くなりやすい?
脚長差がある人の3~5年後の股関節の経過を追った研究があります。
Chan Kim: Leg length inequality and hip osteoarthritis in the multicenter osteoarthritis study and the osteoarthritis initiative: Arthritis Rheumatol 2018 Oct; 70(10): 1572–1576.
レントゲンで股関節の変形度合を追った研究です。
結果は
「短い方の股関節で変形の度合が大きい」でした。
3. 長い側の股関節が痛くなりやすい?
股関節に問題がない人を対象に、25年後に
何人が股関節・膝関節の「手術」に踏み切ったか
ということを調べた研究があります。
Kaj Tallroth, Leena Ristolainen and Mikko Manninen: Is a long leg a risk for hip or knee osteoarthritis?: Acta Orthop. 2017 Oct; 88(5): 512–515.
被験者は193人で以下の脚長差がありました。
・12%:脚長差なし
・32%:1〜4 mmの差
・38%:5〜8 mmの差
・11%:9〜12mmの差
・6%:12 mmを超える差
25年後、16人が手術を受けていました。
(膝8例、股関節8例)
この16人のうち
・脚長差なしは3人
・脚長差ありは13人 でした。
そしてこの脚長差があり手術を受けた13人のうち
・短い側の関節に手術をしたのが3人
・長い側の関節に手術をしたのが10人
と、長い側が短い側の「約3倍」という結果でした。
4. 私の見解
以上、
「短い側の方が関節の変形が早かった」
「長い側の手術を受けた人の方が多かった」
という研究2つを紹介しましたが、
結局どっちなんでしょう('ω')
私の感覚では
短い側から痛みを訴える方が多い印象があります。
でもご高齢になると、長い側の関節の変形が深刻になっていることが多い印象もあります。
(もちろん人によります。)
が、結局のところ
どちらにも負担がかかっているのは事実で
「そりゃどっちも痛くなるよ」
というのが私の見解です。
5. まとめ
・脚長差があるとどちらの股関節も痛くなるリスクがある
お読み頂きありがとうございました。
この記事が誰かの健康の一助となりますように。
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