臼蓋形成不全の人がしてはいけない立ち方3選 ~脚長差が併発しているならなおさら~
- 村田育子(Ikuko Murata)
- 2021年5月30日
- 読了時間: 6分
更新日:4月2日
はじめまして、こんにちは。
「痛みなど身体のトラブルの改善・予防」をコンセプトに
パーソナルトレーナーとして活動しています、
理学療法士の村田育子です。
「姿勢改善」「ボディメイク」も得意としています(^^)/
本日は
「臼蓋形成不全の人がしてはいけない立ち方3選
~脚長差を併発しているならなおさら~」
というテーマでお話してみたいと思います。

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【目次】
1. 臼蓋形成不全とは?
2. 臼蓋形成不全の人がしてはいけない立ち方
3. 臼蓋形成不全に脚長差が併発していたら?
4. まとめ
1. 臼蓋形成不全とは?
「臼蓋(きゅうがい)」とは
股関節における骨盤側の「カップ」のことを言います。
股関節は
大腿骨頭(大腿骨の付け根のボール)を
臼蓋が覆いかぶさるように包んでいる構造をしています。
もしくは
臼蓋というカップに
大腿骨頭というボールがはまっている構造
とも言えます。

臼蓋形成不全とは
この臼蓋の形が不完全
つまり「臼蓋が浅い」
ことを言います。
臼蓋形成不全では
股関節にはどのような影響があるのでしょうか。
まずは 股関節を正面から見てみます↓

臼蓋が浅いと(右側の図)
臼蓋に対する大腿骨頭のはまりが悪く
斜め上・外側に骨頭がズレそう(矢印の方向)
なのがイメージできるかと思います。
このように臼蓋が浅いと
骨頭は「上・外側」に不安定になる
傾向があります。
次は股関節を上から見てみます。
元々、臼蓋は少し前に向いた構造をしていますが
この臼蓋が浅くなるとどのような影響があるでしょうか。

臼蓋が浅いと(右側の図)
臼蓋に対する骨頭のはまりが悪く
前方に骨頭がズレそう(矢印の方向)
なのがイメージできるかと思います。
このように
臼蓋が浅いと
骨頭は「前方」に不安定になる
傾向があります。
以上の2点をまとめると
臼蓋形成不全では大腿骨頭が
①上・外側
②前方
へ不安定となる傾向がある
と言えます。
この骨頭の不安定性(ズレ)が臼蓋を少しずつ傷つけ
将来的に変形性股関節症へ移行していく…
というのが
臼蓋形成不全の方が抱えているリスクなのです。
2. 臼蓋形成不全の人がしてはいけない立ち方
それでは本日のテーマ
「臼蓋形成不全の人がしてはいけない立ち方」
について考えてみます。
臼蓋が浅いと
大腿骨頭は「ただでさえ」不安定
なので
「大腿骨頭をより不安定にしてしまう立ち方」
が良くない と言えます。
方向としては
骨頭をより「上外側」&「前方」へズラす立ち方
がNGとなります。
ということで3つピックアップしてみました。
まず一つ目。
(1)片脚重心・休め姿勢

↑写真のように「右重心・左休め」では
右の骨盤が高くなり
右股関節において
骨頭が「上外側へ」ズレやすくなります。

ここで臼蓋形成不全があると
骨頭がより上外側へズレやすいのは明白ですね。
(2)骨盤を前に出した立ち方(sway back姿勢)

骨頭が「前に」抜け出る力がかかります。
ここで臼蓋形成不全があると
より骨頭は「前方に不安定になる」のは
容易にイメージできるかと思います。
sway back姿勢は日本人に非常に多く
自覚がない方も多いので気を付けていきたいところです。
(3)骨盤をどこかに寄りかからせて立つ

キッチンのシンクに
左右どちらかの骨盤を押し当てての作業…。
あるあるですよね汗
私もよくやってしまいます(T_T)
片脚重心でかつ骨盤を前に突き出す立ち方では
骨頭が「上外側」&「前方」へ
ズレるストレスがかかります。
それに加え
「寄りかかっている」ということは
=脱力している
=筋力による制御がない状態
=骨頭はさらに不安定!
ということで
骨頭がズレるリスクはさらに高まります。
ただでさえ推奨できない立ち方ですが
臼蓋が浅い状態でこの立ち方は
非常に良くないというのは言うまでもありません。
以上
「臼蓋形成不全の人がしてはいけない立ち方」を
3つピックアップしてみました。
この3つを止めれば良いんだ~ということでなく
「大腿骨頭は上外・前方へのズレやすく、それを増強させるような立ち方が良くない」
という股関節の基本構造を理解して
日常生活に落とし込んで頂ければと思います。
臼蓋形成不全があると
変形性股関節症に移行してしまう可能性は確かにあるのですが
日々の意識で変形性股関節症を避けることができる可能性ももちろんあるので
是非 気を付けて頂きたいポイントです。
3. 臼蓋形成不全に脚長差が併発していたら?
臼蓋形成不全に加えて
「脚長差」という問題がが併発していたら
股関節にはどのようなストレスがかかるでしょうか?
脚長差があると
ただ真っすぐ立っているだけで
骨盤が傾きます。

デフォルトの状態で
前述の「片脚重心・休め姿勢」な訳です。
長い方の大腿骨頭には
「上外側へ」のズレる力が
ただ立っているだけで「常に」かかることになります。
なのでもしここに
「臼蓋形成不全」という問題が加わったら…
それに加えて
片脚重心・休め姿勢の癖があったら…
さらに加えて
キッチンのシンクに骨盤を当てがっていたら…
股関節への負担は計り知れませんよね。
「臼蓋形成不全」については
ope以外どうしようもない部分はありますが
「脚長差」については
インソールで「対処」はできます。
臼蓋形成不全+脚長差では
変形性股関節症へ移行するリスクが高い
ということを認識し、
適切に対処をすることで
股関節を大事に長持ちさせて使って頂きたいと切に願います。
4. まとめ
・「臼蓋形成不全」とは臼蓋が浅いことを言う
・臼蓋が浅いと股関節は不安定になりやすい
・それにより変形性股関節症へ移行するリスクがある
・臼蓋が浅いと大腿骨頭は上外側+前へズレやすい
・骨頭を上外側+前へズラす立ち方がNGである
・脚長差があると骨頭はさらにズレやすい
・脚長差に対処し変形性股関節症への移行リスクを減じたい
お読み頂きありがとうございました。
この記事が皆さまの健康の一助となりますように!(^^)!
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