このブログでは
理学療法士であり
パーソナルトレーナーでもある私の視点から
「姿勢」や「痛み改善・予防」
についてのお話をしています。
「ボディメイク」も得意で
東京をメインに活動しています、村田育子です(^^)/
現在「足の長さが左右違う(以下:脚長差)」
をテーマにシリーズで解説していて
本日は
「脚長差は仙腸関節痛の原因となるのか?」
というテーマでお話していたいと思います。
仙腸関節痛でお悩みの方に是非読んで頂きたい内容です。
同じ内容をYou tubeでもアップしています。
動画の方が良いなという方は こちら 。
【目次】
1. 脚長差があると仙腸関節は痛くなるのか?
2. 仙腸関節とは
3. 脚長差が仙腸関節痛を生じる理由(長い側)
4. まとめ
1. 脚長差があると仙腸関節は痛くなるのか?
脚長差によって仙腸関節が痛くなるリスクは
「非常に高い」と言えます。
特に脚が長い側が痛くなることが多いので
本日は脚が長い側に生じる仙腸関節痛に
フォーカスしてお話していきたいと思います。
(短い側についてはまた後日)
ではではその前に
仙腸関節:せんちょうかんせつ
に馴染みがない方も多いと思うので
まず仙腸関節の説明からしていきたいと思います。
2. 仙腸関節とは
仙腸関節は骨盤にある関節です。
真ん中の骨は仙骨:せんこつ
両サイドの骨の上部は腸骨:ちょうこつ
「仙骨」と「腸骨」で「仙腸関節」です。
仙腸関節の特徴は何と言っても
「不安定になりやすい」
というのが挙げられます。
その理由にまず
仙腸関節は「平面&平面」の関節だから
というのが挙げられます。
例えば股関節は「ボール&ソケット」の関節で
比較的ホールド力があり安定した構造と言えます。
それに対し仙腸関節はどうでしょう?
関節面はフラット、平面です↓
ボール&ソケットの股関節と比較すると
はまっている感じが明らかに少なく
簡単にズレそうなのが想像できるかと思います。
このような構造的な特徴から
仙腸関節は不安定になりやすい関節と言えます。
…となると
他の平面&平面の関節も不安定なのでは???
という疑問が出てくると思います。
他の平面&平面の関節、例えば背骨を見てみます↓
赤く囲った部分は↑
仙腸関節と同じく平面関節ですが
大きく違う点があります。
それは立位での重力のかかり方です。
背骨には矢印のように
関節面に対してほぼ垂直に重力がかかります。
これなら「そう簡単にはズレない感じ」
が想像できるかと思います。
では、仙腸関節はどうでしょう?
仙腸関節にはこのような方向で重力がかかります↓
「関節面」と「重力線」が垂直に交わっていない
…どころか
むしろ「平行」に近いと言えます。
何だか簡単にズレそう…
そんなイメージが湧くかと思います。
このように仙腸関節は
・不安定になりやすい形状
でかつ
・不安定にさらされやすい状況下(重力下)にある
と言えます。
そして何を隠そう
仙腸関節の痛みの原因のほとんどは
この「不安定性」なのです。
3. 脚長差が仙腸関節痛を生じる理由(長い側)
仙腸関節の特徴について知ったところで
脚長差が仙腸関節痛を生じる理由(脚が長い側)
について考えてみたいと思います。
まず脚長差があると骨盤が傾きます↓
ここでは右脚が長く、右の骨盤が高くなっています↑
さて、
右側の仙腸関節に対する「重力のかかり方」は
どのように変化しているでしょうか?
重心線を入れてみます↓
右側の仙腸関節では
関節面が重力線に対して平行に近付いています。
このような状況では右の仙腸関節が
よりズレそうなのが想像できるかと思います。
「重力」という「パワー」が仙腸関節をズラしにかかるのです。
つまり脚長差は
脚が長い側の仙腸関節で剪断(ズレ)ストレスを増やす
と言えます。
つまり、脚長差によって骨盤が傾くと
骨盤が高い側の仙腸関節が不安定となりやすく
痛みに繋がってしまう
ということです。
もともと仙腸関節それ自体が不安定になりやすい関節なので
脚長差があるとなおさら痛みとして現れるリスクは高いと言えます。
4. まとめ
・仙腸関節はそもそも不安定になりやすい構造
・仙腸関節は不安定性によって痛みに繋がりやすい
・脚長差で骨盤が傾くと長い側で骨盤が高くなる
・すると長い側の仙腸関節への重力線が平行になる
・すると長い側の仙腸関節は不安定となる
・脚長差は仙腸関節痛の原因となる
お読み頂きありがとうございました。
次回は今回の内容を踏まえての症例報告をしたいと思います。
この記事が誰かの健康の一助となりますように。
トラブルの根本原因を追究
少人数でみっちりフォロー
週1回の運動習慣
ボディメイクを目指す方に