脚長差による股関節痛では 長い方・短い方どちらが痛くなるのか?
- 村田育子(Ikuko Murata)
- 2021年5月23日
- 読了時間: 3分
更新日:3月27日
はじめまして、こんんちは。
「痛みなど身体のトラブルの解決・予防」をコンセプトに
パーソナルトレーナーとして活動しています、
理学療法士の村田育子です。
「姿勢改善」「ボディメイク」も得意としています(^^)/
本日は、前回のテーマ
「脚長差は股関節痛の原因になるのか?」に関連し

「脚長差による股関節痛では 長い方・短い方どちらが痛くなるのか?」
というテーマでお話してみたいと思います。
(息抜き回です)
【目次】
1. 長い方と短い方どちらの股関節が痛くなるのか?
2. 論文紹介①
3. 論文紹介②
4. まとめ
1. 長い方と短い方 どちらの股関節が痛くなるのか?
脚長差があると
・短い方には「衝撃ストレス」
・長い方には「圧縮・剪断(ズレ)ストレス」
がかかり股関節が痛くなる
ということを前回の記事で解説しました。
つまり脚長差があると
どちらも痛くなるリスクがあります。
が、さて、
どちらの方が痛くなりやすいのでしょうか?
2. 論文紹介①
脚長差がある人の3~5年後の股関節の経過を追った研究があります。
Chan Kim: Leg length inequality and hip osteoarthritis in the multicenter osteoarthritis study and the osteoarthritis initiative: Arthritis Rheumatol 2018 Oct; 70(10): 1572–1576.
レントゲンで股関節の変形度合を追った研究です。
結果は
「短い方の股関節で変形の度合が大きい」でした。
3. 論文紹介②
股関節に問題がない人を対象に、25年後に
何人が股関節・膝関節の「手術」に踏み切ったか
ということを調べた研究があります。
Kaj Tallroth, Leena Ristolainen and Mikko Manninen: Is a long leg a risk for hip or knee osteoarthritis?: Acta Orthop. 2017 Oct; 88(5): 512–515.
被験者は193人で以下の脚長差がありました。
・12%:脚長差なし
・32%:1〜4 mmの差
・38%:5〜8 mmの差
・11%:9〜12mmの差
・6%:12 mmを超える差
25年後、16人が手術を受けていました。
(膝8例、股関節8例)
この16人のうち
・脚長差なしは3人
・脚長差ありは13人 でした。
これは大きな差ですね…。
そしてこの脚長差があり手術を受けた13人のうち
・短い方の関節に手術をしたのが3人
・長い方の関節に手術をしたのが10人
と、
長い方が「約3倍」多く手術を受けていた
という結果でした。
4. まとめ
以上
「短い側の方が関節の変形が早かった」
「長い側の手術を受けた人の方が多かった」
という2つの研究を紹介しましたが
結局どっちなんでしょうか('ω')
私の感覚では
短い方からまず痛みを訴える方が多い印象です。
しかしセラピスト目線で見ると
長い側の変形の方が深刻だな…と感じるケースが多い印象もあります。
結局のところは
どちらにも負担がかかり
どちらも痛くなるリスクがあるので
しっかりチェックしてインソールなどで対応することが重要!
ということを言いたいのですっ。
お読み頂きありがとうございました。
この記事が皆さまの健康の一助となりますように!(^^)!
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