はじめまして、こんにちは。
理学療法士の村田育子です。
「痛みなど身体のトラブルの解決・予防」をコンセプトに
パーソナルトレーナーとしても活動をしています。
女性の「ボディメイク」も得意分野としています。
本日は
「姿勢矯正にはどれくらいの時間がかかるのか?」
というテーマでお話してみたいと思います。
(同じ内容を You Tube でもアップしています。)
【目次】
1. 姿勢矯正にかかる時間
2. 姿勢と「筋肉・靭帯の長さ」の関係
3. 姿勢悪化時の「筋肉・靭帯の長さ」
4. 姿勢矯正時の「筋肉・靭帯の長さ」
5. 新陳代謝のサイクルから姿勢矯正にかかる時間を考える
6. 私の姿勢矯正の実例
7. まとめ
1. 姿勢矯正にかかる時間
結論から言うと「最低2年」かかります。
良くも悪くも身体に「変化」を起こすにはそれなりの時間がかかります。
(世の中そんなに甘くない…)
しかしこれは裏を返せば
「2年頑張れば確実に変化する」
ということでもあります。
私はずっと自分の姿勢がコンプレックスだったので
これからお話することを知った時は
「2年頑張れば私も変われるんだ…!」
と、逆にと希望を持てたことを覚えています。
2. 姿勢と「筋肉・靭帯の長さ」の関係
「姿勢」とは「骨がどう配列しているか」ということであって
「姿勢を良くしたい」というのは
「骨の配列を正したい」ということになります。
「骨の配列を正したい」とき、
骨それ自体の配列だけでなく
骨の周りに付着している筋肉・靭帯など柔軟性のある組織の「長さ」
についても考える必要があります。
骨の配列が正しいポジションであれば
骨の周りの結合組織は
「正しい骨配列に対して適正な長さ」
にあります。
しかし骨の配列が崩れてしまうと
この骨の周りの結合組織は
「崩れた骨の配列に対して適正な長さ」
に変化し、
もともとの適正な長さからは徐々にかけ離れていきます。
このように骨の周りの組織の長さは
その柔軟さゆえ、付着する骨の配列具合に適応していくようにできています。
3. 姿勢悪化時の「筋肉・靭帯の長さ」
実際に姿勢が悪くなると
筋肉・靭帯などの組織長はどのように変化するのでしょうか?
具体的に見ていきましょう!
例えば
背中側とお腹側が同じ長さで
それぞれに細胞がそれぞれ10個あるとします。
この状態から猫背になると
・お腹側は縮み
・背中側は伸びます。
しかし「細胞の数」は急に変わらないので
お腹には10個の細胞が密集し「つぶれ」
背中の10個の細胞は「引き伸ばされます」。
・お腹では細胞が余っていて
・背中では細胞が足りていない
状況が感じ取れるかと思います。
日々この状態が続くと
背中さんは
「うわー いつもピンピンで辛い。細胞数を増やして!」
と、背中の細胞数を増やしてもらうように脳様に依頼をします。
すると脳は
細胞が新たに作り変えられるタイミングで
背中の細胞の数を増やすよう命令を出します。
逆にお腹さんは
「狭い!こんなに細胞いらないです!」
と、お腹の細胞数を減らすよう脳様に依頼をします。
すると脳は
細胞が新たに作り変えられるタイミングで
お腹側の細胞の数を減らすよう命令を出します。
脳からの指令を受け
・背中では細胞数が増え
・お腹では減る
といったように細胞の数に変化を生じさせます。
例えば、10個だった細胞が
お腹側は7個に減少、背部は14個に増加
といった状態になります↓
綺麗な(?)猫背姿勢の完成であります。
このように猫背になると
・背中は伸張刺激に応じて細胞を増やして長く
・お腹は圧縮刺激に応じて細胞を減らして短く
各々が「猫背姿勢に適応する」ということが起きます。
これを「組織の長さの最適化」と呼びます。
組織長は骨の配列に対して「良くも悪くも」適応していく
ということです。
こうやって猫背仕様の身体が出来上がっていくのですね…恐怖。
4. 姿勢矯正時の「筋肉・靭帯の長さ」
では今度は
細胞数が猫背に最適化されてしまった状態から
姿勢を矯正してみます↓
この時 身体ではどのようなことが起こるでしょうか?
↑図右のようにお腹側は伸ばされ、
背中側の細胞は潰されています。
骨の配列を修正したとしても
「細胞数」は急には変わらないからです。
(意識して猫背を直しても気を抜いたらすぐに戻るのはこういう理由でもありあすね)
猫背を本当に矯正しようと思ったら
骨の周囲の組織の長さを
細胞の数から修正する必要があります。
・お腹側の細胞を増やして
・背中側の細胞を減らす
ということです。
このように姿勢矯正では
「悪い骨配列に最適化してしまった組織の長さ」
から
「新たな良い骨配列に最適化し直す」
ということが必要になります。
細胞数を増やすには
「細胞が足りない、増やして下さい!」
という「伸張刺激」
を持続的に与える必要があります。
逆に細胞数を減らすには
「細胞余っている、減らし下さい!」
という「短縮刺激」
を持続的に与える必要があります。
5. 新陳代謝のサイクルから姿勢矯正にかかる時間を考える
では 細胞の数の増減はいつ起きるのでしょうか?
それは細胞が生まれ変わる時、新陳代謝のタイミングで起きています。
「新陳代謝」とは
細胞が「死んで」
「また別の細胞が生まれる」ことを言います。
私達の身体は日々造り変えられていて
古くなった細胞は「破壊」「排出」され
新しい細胞に置き換わっています。
これが日々、私達の身体で繰り広げられていて
この新陳代謝のタイミングで細胞の数(組織の長さ)は
ちょうど良いように調整されていきます。
(ヒトの適応能力って凄い!!)
では、筋肉などの組織では新陳代謝が起きて
「組織全部が一新される」にはどれくらいの時間がかかるでしょうか?
これはもちろん代謝の良し悪し(年齢)や筋肉の大きさで差がありますが
だいたい「4ヶ月~半年」
だそうです。
となると
姿勢の矯正には4ヶ月~半年かかる
ということが理解できますよね!
「…ってあれ!? 2年じゃなかったっけ!?」
という声が聞こえてきました汗汗
そう、2年なんです、
長年の悪い姿勢をたったの1クールの新陳代謝で矯正するのはさすがに無理がありますよね。
最低3クールは必要です。
なので多く見積もってだいたい「2年」。
これが「姿勢を矯正するには最低2年必要」という理由です。
「2年…長いなぁ…」と感じるかもしれませんが
でも こうやって理解すると
「2年頑張れば変われるんだ!」
という希望の光も見えてきませんか?(≧◇≦)
6. 私の姿勢の変化
私の場合、今現在で約2年姿勢改善に取り組み
まだまだですが、変化はあります涙↓
私のように身体の柔軟性が極端に低かったり
怠け者だったりすると
2年と言わずもっと気長に取り組む必要はあります。
でもやればやった分だけちゃんと変わるし、
むしろゆっくりの変化の方がトラブルはなく進められるともいます。
とりあえず頑張っていきたいと思います( ゚Д゚)
7. まとめ
・悪い姿勢だと組織長がそれに適応してしまう
・姿勢矯正には組織長:細胞数から矯正が必要
・細胞数の変化は新陳代謝半年×3クールは必要
・姿勢矯正に最低2年は必要
本日は以上です。
お読み頂きありがとうございました!
この記事が誰かの健康の一助となりますように!(^^)!
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