はじめまして、こんにちは。
理学療法士の村田育子です。
「痛みなど身体のトラブルの解決・予防」をコンセプトに
パーソナルトレーナーとしても活動をしています。
女性の「ボディメイク」も得意分野としています。
本日は「左だけ肩がこる」とお悩みのS様について
お話してみたいと思います。
S様のように「片側だけ肩がこる」など
身体の左右差についてのお悩みをお持ちの方にぜひ読んで頂きたい内容です。
(同じ内容を You tube でもアップしています)
【目次】
1. 症例紹介
2. S様の肩こりを治すには?
3. S様の肩こりを根本から治すには?
4. S様の肩こりの根本原因は?
5. S様への治療アプローチ
6. まとめ
1. 症例紹介
50代、女性。
お悩み「左だけ肩がこる」。
立位姿勢を見てみます。
明らかに左肩が上がっています。
そして写真では分かりにくいですが
左肩が前に出ています。
左首~肩にかけての筋肉は硬くなっていました。
これでは左の肩が凝るのも頷けます。
2. S様の肩こりを治すには?
S様の肩こりを治すにはどうすれば良いでしょうか?
ストレッチでしょうか?
マッサージでしょうか?
S様の左の首~肩にかけての筋肉は
「短く」「硬く」なっていたので、
ストレッチは「伸ばす」のでOKですし
マッサージは「緩める」のでOKです。
どちらも効果は期待できます。
実際に
「マッサージとピップエレキバンで一時的に凝りは和らぐ」
とのことでした。
しかし効果はどうしても「一時的」にとどまってしまいます…。
マッサージやストレッチは即時効果は得られても
それは対症療法であって根本解決は難しいと言わざるを得ません。
(対症療法は大事ですが)
3. S様の肩こりを根本から治すには?
S様の肩こりを根本から治すには
左肩が上がって前に出ている姿勢
「それ自体を修正すること」が必要です。
ではどうやったら
「左肩が上がって前に出ている姿勢」
を修正することができるでしょうか?
「左肩を下げるエクササイズ」でしょうか?
…間違っていません!!
しかし、もっと大事なことがあります。
それは
「なぜ左肩が上がって前に出ているのか?」
「その理由を突き止めること」
にあります。
姿勢の歪みの「根本的な理由」が分からなければ、
左肩を下げるエクササイズを行っても
すぐにまた左肩は上がってきてしまうかもしれません。
理由が分からないまま行うエクササイズは、
これも対症療法と言わざるを得ません。
(もちろん対症療法も大事ですよ)
4. S様の肩こりの「根本原因」は?
では、S様の左肩は上がっているのか?
その原因を探っていきました。
まずは骨格の検査で引っかかったのが
「脚の長さの左右差」でした。
しかし若干の左右差だったため、
肩への影響は考えにくい状態でした(詳しくは割愛します)。
なので、他に原因があるはず!ということで日常生活での動きを確認していきました。
子供の頃のスポーツ歴
→ 特になし。
カバンの持つ癖
→ 両方持つ、カバンは軽め。
座り方の癖
→ 左右差なし、脚も組まない。
趣味の姿勢
→ 韓国ドラマを寝っ転がって見る。
寝方の癖
→ 寝返りも両方うつ、左右差なし。
立ち方の癖
→ どちらかに体重をのせる癖もない。
・・・などなど。
色々聞いていきましたがヒットせず。
S様「左肩が上がるような習慣は全然ないです!」
私「むむむ( ゚Д゚)」
お仕事の姿勢を確認すると
看護師さん歴約40年、
ここ20年は内視鏡(胃カメラ)の検査室。
仕事中の基本姿勢がこちらでした↓
胃カメラの画面は右斜め前にある
→ 自然と上半身が右ねじり
→ 左肩が上がって前に出た姿勢
加えて
左手でカメラをドクターに渡す
→さらに左肩が上がる
明らかにカメラを持つ左肩が緊張してます…。
「左肩が上がるような習慣は全然ないです!」
と自信満々で言っていたS様ですが、
この姿勢を私に見せてくれた瞬間に
「はっ」と気付いておられました。
このように身体の歪みを作る動作は無意識の中に潜んでおり、
S様の場合、胃カメラ検査室の勤務は20年
左肩上がりの姿勢が固定化されるには十分と思われました。
5.S様への治療アプローチ
ここまで来れば勝ったも同然で、
一番の解決方法は
マッサージやストレッチではなく
・仕事中に左肩が上がらないように工夫する
ことに加えて
・仕事の後に反対方向の運動で歪みを都度リセットする
になります。
このことを認識したうえで
マッサージやストレッチも上手に組み込むことができれば
なお良き!!!! なのです。
その後のS様ですが
上記のアドバイスに加え
猫背修正のエクササイズなども頑張っておられて
現在肩こりは改善傾向とのことです。
6. まとめ
・左の肩こりでお悩みのS様
・左肩が上がって前に出た姿勢だった
・姿勢の歪みの原因は仕事中にあった
・提案したこと
①仕事中に姿勢が極力歪まないよう工夫
②仕事後はリセットのエクササイズをする
今回ご紹介したS様のように
日常の癖で左右差が生じていることは多々あります。
ぜひ一度 日頃の身体の使い方に目を向けてみてください(^^)/
お読みいただき、ありがとうございました。
この記事が皆さまの健康の一助となりますように☆
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